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田崎教授は、ひと呼吸おくと・・・・・
「結果から言おう」
「ほぼ君の推測どおり、解析の終わったサンプルから推測すると、ほぼ同一の生体から作られているものと仮定しても良いだろうな」
「やはりそうか・・・・・」
「そこまで分かれば、これ以上サンプルを解析する必要はないさ。」
「しかし、これからどうするつもりだ?」
「まさか、この解析結果だけで公表は出来ないぞ・・・・・」
「分かっているさ。」
そう言うと、西郷寺は窓の外の流れる雲をジッと見つめていた。
田崎は、その顔を見ながら、
「無茶は禁物だぞ・・・・・」とつぶやいた。
西郷寺にも聞こえていたが、それには答えずに、
「お前さんのやっている例のやつの進行状況はどうなんだ?」
「相当進んでいるよ」
「こちらも、予測通りの結果と言ったところだな。」
「そーか」
「そこまで言えるところまで来ているなら、俺の心配をしている場合じゃないんじゃないか?」
「大丈夫さ」
「この解析は、研究室の限られたものしか知らないし・・・・・」
「外部に漏れることはないよ」
「しかし、気をつけるにこしたことはないぞ」
「奴らの事だ。どんなところに罠を仕掛けているか分からない。」
「そーだな、君の話じゃ相当手の込んだ工作も考えられるしな。」
「そう言えば、さっき電話に出た奴は誰なんだ?」
「今日は、一人でいるはずじゃなかったのか?」
「ああ、この間話した新人さ。」
「あの中田と言う奴か?」
「そーだ、彼なら問題ないさ。」
「石橋君のところに居たんだよ」
「え、石橋の所に・・・・・」
「じゃ、俺たちの事は知っていたと言うことか?」
「ああ、そういう事になる。」
「もちろん素性の調査もしてあるよ、問題は無かった。」
「解析の手伝いをさせているのか?」
「ああ、でも任せているわけではない。指示した事だけやってもらっている。」
「早いな。石橋の研究所が閉鎖になって、もう半年か。」
「残った所員は、全員矢崎のところが引き取ったと聞いていたが・・・・・」
「そうなんだが、何人か辞めているんだよ。」
「彼は、そのうちの一人だ。」
「矢崎は、今回の件は何も知らんのだろう?」
「彼のところに行った方が、賢明な選択だと思うが・・・・・」
「私も本人に言ったさ」
「石橋の研究を引き継ぎたいなら、矢崎君のところの方がいいんじゃないか? ってね」
少し間をおくと、田崎はこう続けた。
「君に余計な心配をかけたくなかったんで、伏せていたんだが・・・・・」
「彼は石橋が書いた私宛の封書を持っていたんだ。」
「何だって?」
「それには何て書いてあったんだ?」
「もし私が居なくなったら、中田を使ってくれと。『例の件に役立つ奴だから』・・とね。」
「それに添えて、SDカードが同封されていたよ。」
「もちろん、パスワードでロックされていた。」
「パスワードを当てるのに2日かかったよ。」
「じゃ、石橋が持っていたデータは、その中に?」
「ああ、その通りだ。」
「本当に石橋の書いたものなのか?」
「ああ、間違いなく、彼の筆跡だ。」
「って事は、俺たちがやっている事を彼は知っているということか・・・・・」
「ああ、そうなるが、私も完全に信用している訳ではないさ。」
「だから、指示したことしか、まだやらせてはいない。」
「この解析結果も知っているのか?」
「いや、君の依頼の件は、私だけで解析した。誰にも手伝わせてはいないよ。」
「今日は、いい機会だと思ってね。色々と話をしてみている。」
西郷寺は、心配そうに田崎を見つめていた。
「なに心配はするな、肝心なことは何も話してはいない。」
「一般的な世間話に留めているさ。」
「そうか、ならばいいんだが・・・・・・」
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田崎教授は、ひと呼吸おくと・・・・・
「結果から言おう」
「ほぼ君の推測どおり、解析の終わったサンプルから推測すると、ほぼ同一の生体から作られているものと仮定しても良いだろうな」
「やはりそうか・・・・・」
「そこまで分かれば、これ以上サンプルを解析する必要はないさ。」
「しかし、これからどうするつもりだ?」
「まさか、この解析結果だけで公表は出来ないぞ・・・・・」
「分かっているさ。」
そう言うと、西郷寺は窓の外の流れる雲をジッと見つめていた。
田崎は、その顔を見ながら、
「無茶は禁物だぞ・・・・・」とつぶやいた。
西郷寺にも聞こえていたが、それには答えずに、
「お前さんのやっている例のやつの進行状況はどうなんだ?」
「相当進んでいるよ」
「こちらも、予測通りの結果と言ったところだな。」
「そーか」
「そこまで言えるところまで来ているなら、俺の心配をしている場合じゃないんじゃないか?」
「大丈夫さ」
「この解析は、研究室の限られたものしか知らないし・・・・・」
「外部に漏れることはないよ」
「しかし、気をつけるにこしたことはないぞ」
「奴らの事だ。どんなところに罠を仕掛けているか分からない。」
「そーだな、君の話じゃ相当手の込んだ工作も考えられるしな。」
「そう言えば、さっき電話に出た奴は誰なんだ?」
「今日は、一人でいるはずじゃなかったのか?」
「ああ、この間話した新人さ。」
「あの中田と言う奴か?」
「そーだ、彼なら問題ないさ。」
「石橋君のところに居たんだよ」
「え、石橋の所に・・・・・」
「じゃ、俺たちの事は知っていたと言うことか?」
「ああ、そういう事になる。」
「もちろん素性の調査もしてあるよ、問題は無かった。」
「解析の手伝いをさせているのか?」
「ああ、でも任せているわけではない。指示した事だけやってもらっている。」
「早いな。石橋の研究所が閉鎖になって、もう半年か。」
「残った所員は、全員矢崎のところが引き取ったと聞いていたが・・・・・」
「そうなんだが、何人か辞めているんだよ。」
「彼は、そのうちの一人だ。」
「矢崎は、今回の件は何も知らんのだろう?」
「彼のところに行った方が、賢明な選択だと思うが・・・・・」
「私も本人に言ったさ」
「石橋の研究を引き継ぎたいなら、矢崎君のところの方がいいんじゃないか? ってね」
少し間をおくと、田崎はこう続けた。
「君に余計な心配をかけたくなかったんで、伏せていたんだが・・・・・」
「彼は石橋が書いた私宛の封書を持っていたんだ。」
「何だって?」
「それには何て書いてあったんだ?」
「もし私が居なくなったら、中田を使ってくれと。『例の件に役立つ奴だから』・・とね。」
「それに添えて、SDカードが同封されていたよ。」
「もちろん、パスワードでロックされていた。」
「パスワードを当てるのに2日かかったよ。」
「じゃ、石橋が持っていたデータは、その中に?」
「ああ、その通りだ。」
「本当に石橋の書いたものなのか?」
「ああ、間違いなく、彼の筆跡だ。」
「って事は、俺たちがやっている事を彼は知っているということか・・・・・」
「ああ、そうなるが、私も完全に信用している訳ではないさ。」
「だから、指示したことしか、まだやらせてはいない。」
「この解析結果も知っているのか?」
「いや、君の依頼の件は、私だけで解析した。誰にも手伝わせてはいないよ。」
「今日は、いい機会だと思ってね。色々と話をしてみている。」
西郷寺は、心配そうに田崎を見つめていた。
「なに心配はするな、肝心なことは何も話してはいない。」
「一般的な世間話に留めているさ。」
「そうか、ならばいいんだが・・・・・・」
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